○美里町議会基本条例
令和5年9月11日
条例第25号
目次
前文
第1章 総則(第1条)
第2章 議会及び議員の活動原則等(第2条―第4条)
第3章 議会運営(第5条―第7条)
第4章 議会の体制と議員の身分及び待遇(第8条―第14条)
第5章 町民と議会の関係(第15条―第18条)
第6章 議会と行政の関係(第19条)
第7章 議員の政治倫理(第20条)
第8章 最高規範性(第21条―第23条)
附則
美里町議会は、町民の信託を厳粛に受け止め二元代表制の一方の担い手として、議会の機能を十分に発揮し町民全体の福祉の向上を実現するためこの基本条例を制定する。
議会として積極的な情報の公開、政策活動への町民参加の推進、議員間の自由な討議、行政機関との緊張感のある関係による監視、議員の自己研鑽と資質の向上、公正性と透明性の確保などを実践することにより町民に信頼され存在感のある議会を築きたい。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、美里町議会(以下「議会」という。)が町民の信託に応えるため、その運営の基本を明らかにし、町民と議会との関係及び議会と執行機関との関係における基本的な事項を定めることにより、議会の果たすべき役割と責任を明確にするとともに、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)の本旨の実現と豊かな町づくりに寄与することを目的とする。
第2章 議会及び議員の活動原則等
(議員の使命・規範)
第2条 議員は、政策を提案し、問題の争点を明らかにするなど、議会における討論を通じてよりよい決定がなされるよう常に自ら研鑽に努めなければならない。
2 議員の議会における発言は、町政の問題解決を図り、もって町民の福祉の向上を旨として行わなければならない。
(議会の活動原則)
第3条 議会は、町民主権を実現するため、町民に町政に関する情報を公開し、町政への町民参加を進め、町民の意見等を適時的確に把握して町政に反映させるように活動しなければならない。
2 議会は、町の意思決定機関であり、町のあるべき姿を政策立案するとともに執行機関の活動を監視しなければならない。
3 議会は、町民の代表機関であることを自覚し、公平性、透明性、信頼性を重んじた町民に開かれた議会及び町民参加を推進する議会を目指して活動しなければならない。
4 議会は、議長、副議長の選出に当たり、全員協議会等でそれぞれの職を志願する者に対して所信を表明する機会を設けなければならない。
(議員の活動原則)
第4条 議員は、議会が言論の府であることを認識し、町民の多様な意見の把握に努めるとともに、その論点を明らかにし、自由かつ達な討論に努めなければならない。
2 議員は、地域における個別的な事案の解決だけでなく、全町的な視点で把握し、町民全体の福祉向上を目指して活動しなければならない。
3 議長は、議会を代表して中立公正な職務執行に努め、民主的な議会運営を行わなければならない。
第3章 議会運営
(議会の合意形成)
第5条 議会は、言論の府であることを十分認識し、議員相互間の自由な討議を中心に運営されなければならない。
2 議会は、本会議及び委員会において、議案の審議及び審査にあたり結論を出す場合にあっては、合意形成に向けて議員相互間の議論を尽くすよう努めるものとする。
(政策の討論)
第6条 議会は、町政に関する重要な政策及び課題に対して、議会としての共通認識の醸成及び合意形成を図るために、協議等の場を設けることができる。
(委員会活動の充実強化)
第7条 委員会は、社会及び経済情勢等により新たに生じる行政課題に、適切かつ迅速に対応するため、委員会の調査研究活動を充実強化するものとする。
2 委員会は、その所管に属する事務について積極的に調査研究を行い、議会における政策立案及び提案を積極的に行うものとする。
3 委員会は、少なくとも毎月1回開会する。ただし、委員長が必要ないと認めるときは、その限りではない。
第4章 議会の体制と議員の身分及び待遇
(議員定数)
第8条 議員定数は、別に条例で定める。
2 議員定数の改正に当たっては、人口の推移、財政状況、他市町村の動向、町政の現状と課題、将来の予測と展望を総合的に考慮するとともに、広く町民の意見を聞くものとする。
3 議員定数の条例改正案は、法第74条第1項の規定による町民の直接請求があった場合を除き、改正理由の説明を付して必ず議員が提案するものとする。
(議員報酬等)
第9条 議員報酬及び費用弁償は、別に条例で定める。
2 議員報酬及び費用弁償の改正にあたっては、町の常勤特別職及び一般職の職員に支給される給与の状況、他の市町村の動向、町の財政状況を総合的に考慮し、町民の意見を聞くとともに全員協議会で協議するものとする。
(調査機関の設置)
第10条 議会は、町政の課題に関する調査のため、議決により学識経験を有する者等で構成する調査機関を設置することができる。
2 前項の調査機関には、議員を構成員として加えることができる。
3 第1項の調査機関に関し必要な事項は、議長が別に定める。
(議会広報の充実)
第11条 議会は、議会独自の視点から、町政に係る重要な情報を常に町民に周知するように努めるものとする。
2 議会は、情報技術の発達を踏まえた多様な広報手段を活用することにより、多くの町民が議会と町政に関心を持つよう議会広報活動に努めるものとする。
(議会モニターの設置)
第12条 議会は、円滑かつ民主的な議会運営等を推進するため、町民から議会運営等に関する要望、提言その他の意見を聴取し、議会運営に反映させる議会モニターを設置することができる。
2 議会モニターに関し必要な事項は、議長が別に定める。
(議会アドバイザーの設置)
第13条 議会は、広く英知を結集して活動するため町内外から協力者(以下「議会アドバイザー」という。)に依頼し、その協力を得ることができる。
2 議会アドバイザーに関し必要な事項は、議長が別に定める。
(議会事務局の体制整備)
第14条 議会は、議会及び議員の政策形成及び立案機能を高めるため、議会事務局の調査・立法機能を強化する。
第5章 町民と議会の関係
(情報の共有)
第15条 議会は、法令及び条例等に特別の定めがあるものを除き、情報の公開を原則とするとともに町民に対して議会活動に関する情報を公開し説明責任を十分に果たさなければならない。
2 議会は議案に対する各議員の賛否を議会広報で公表(反対者があった場合)するなど、議員の活動に対して町民に情報の提供を行う。
(町民参加)
第16条 議会は、本会議、常任委員会、特別委員会を原則公開とし、町民が議会活動に参加できるような措置を講じるものとする。
2 議会は、請願及び陳情を町民による政策提案と位置づけ、その審議においては提案者の意見を聞く機会を設けることができる。
(議会報告会)
第17条 議会は、議会報告会を少なくとも年1回開催し町民に議会活動を説明するとともに町民の知る権利を保障し、議会活動に対する評価を政策に生かしていく。
2 議会報告会については、議長が別に定める。
(意見交換会)
第18条 議会は、町民や各種団体と随時に意見交換を行い、町民等の声を広く政策立案につなげていく。
2 意見交換会については、議長が別に定める。
第6章 議会と行政の関係
(町長等との関係)
第19条 議会は、二元代表制の元、町長等との立場及び権能の違いを踏まえ、常に緊張感のある関係を構築し、事務の執行の監視及び評価を行うとともに、政策立案及び町長等への政策提言を通じて、町政の発展に取り組まなければならない。
2 議会は、本会議及び委員会等において、事件の論点及び争点を明確にするため、町長等に対し事前の十分な資料提供を求めるものとする。
3 議会は、町長が提案する重要な計画、政策、事業等(以下「政策等」という。)について、政策等の水準を高めるため、次の各号に掲げる事項の説明を求めるものとする。
(1) 総合計画との整合性
(2) 関係ある法令及び条例等
(3) 将来にわたる財政計画と財源措置
(4) 国、県の政策及び計画との整合性
(5) 広域行政との整合性
4 議会の本会議における議員と町長等の質疑応答は、町政上の論点や争点を明確にするため一問一答方式で行う。
5 本会議で一般質問を受けた町長等は、議長の許可を得て一般質問の論点や争点を明確にするために反問することができる。
第7章 議員の政治倫理
第20条 議員は、美里町議会議員政治倫理条例(平成16年条例第149号)を遵守し、町民の代表として倫理性を常に自覚し、自己の地位に基づく影響力を不正に行使することによって町民の疑惑を招くことがないように行動しなければならない。
第8章 最高規範性
(基本規範性)
第21条 この条例は、議会運営における最高規範であって、議会は、この条例に違反する議会の条例、規則、規程等を制定してはならない。
(議会及び議員の責務)
第22条 この条例に定める理念及び原則並びにこれらに基づいて制定される条例、規則、規程等を遵守して議会を運営し、町民に対する責任を果たさなければならない。
(見直し手続)
第23条 議会は、必要に応じて、この条例の目的が達成されているかどうかを全員協議会において検証し、その成果を取りまとめるものとする。
2 議会は、前項による検証の結果、制度の改善が必要な場合は、この条例の改正を含めて適切な措置を講じるものとする。
3 議会は、この条例を改正する場合には、全員協議会で協議し、本会議においても改正の理由及び背景を詳しく説明しなければならない。
附則
この条例は、公布の日から施行する。